登場人物
竹園祐二様クライアント
株式会社アルトル代表取締役社長。人材紹介・SES(アライアンス)・不動産仲介・制作・研修事業を展開。
古谷野支援者(本人)
組織構築・データ整備・財務自動化を担当する外部パートナー。今回は紹介報酬スキームの数値設計と単価表の作成を担当。
文中に登場する「永井さん」はアライアンス案件(貿易事務)へ人材を紹介してくれている紹介者。「原さん」「山下さん」「小林さん」はアライアンス案件で稼働中のスタッフで、紹介報酬モデルの試算対象。
決定事項・合意事項
- 永井さんへの紹介報酬の支払いパターンを「3回払い」に確定。1人あたり月次の当社取り分(研修費控除後)を、3ヶ月かけて3回に分けて支払う「真ん中の案」を採用した。90日サイト(稼働月の約3ヶ月後に自社へ入金)を前提に、支払うまでの間に対象者の稼働継続を確認できる設計。
- 早期離職時の払い出し上限ルールを設定。対象者が早期に離職した場合、永井さんへの払い出し累計額は「その時点の自社入金累計額の3割まで」に制限する。原さん・山下さん・エンジニアの3ケースで試算したところ、いずれも3ヶ月〜半年経過時点で27.8%〜32%程度に収まることを確認し、このモデルで進めることに合意した。
- 払い出し周期は「半年を基本、3ヶ月ごとに区切る」運用で確定。短期離職という不確実性への対策として、9ヶ月・12ヶ月等の長期に永井さんを待たせる設計は避け、3ヶ月周期に統一した。
- 研修費8,000円/月を固定控除し、契約内容に反映。研修を受けているかどうかで払い出し計算が分岐すると運用が煩雑になるため、研修の有無にかかわらず一律で8,000円を控除する方式に統一した。
- 委託・転籍それぞれの単価基準を確認・確定。委託はミニマム時給2,100円以上(望ましくは月給33万〜35万円)。転籍は最低でも5万円以上の利益が自社に残ることを基準とし、5万円を下回る案件は見送る方針とした。
- 給与の所定日数不整合は、フル出社ベースで利益予測を立てる方針に統一。所定日数を下回って出勤していても満額支給されているケースがあることを確認したが、これは自社の利益が増える方向にしか働かないため、予測は「フル出社した場合(=最も利益が低いバージョン)」を基準にすることで合意した。
- 各事業のお金のブロックパズル・モデル単価を整理する方針で合意。年内30人の目標自体は維持しつつ、広告施策の見直し成果を見ながら、紹介・研修・クリエイターとしての収益内訳を可視化していく。
さらなる議論が必要(保留・検討中)
- 早期離職時の減額計算式そのもの(契約書への具体的な落とし込み)は9/26の対面MTGで協議予定。永井さんとの間ではまだ契約書は締結されておらず、現状は口頭合意ベース。
- アライアンス専任担当を社内に置く場合の運用設計は検討段階。担当者の人件費(月35万円)を基準に試算すると、1人あたりに配分できるのは1.5万円のみで、担当者1人が23人(先方とのコミュニケーションも兼務する場合は40人)を抱える必要があるという結果が出たが、正式な採用計画には至っていない。
- 紹介とアライアンスの振り分け基準の明文化は今後の課題。「結婚前提・子供を希望する等、通常の自社案件とは異なる働き方を望む人」をアライアンスへ誘導する、という運用上の判断軸は共有されたが、明文化されたルールにはなっていない。
タスク・宿題・ネクストアクション
竹園様 側
| タスク | 内容 | 期限 |
|---|---|---|
| 契約書作成 | 今回の利益予測・支払いモデルに基づき、早期退職時の返金(減額)ルールを組み込んだ永井さんとの契約書を作成する。 | - |
| 減額規定の協議 | 早期退職時の減額計算式について、対面ミーティングで具体的に詰める。 | 9/26 |
| 資料の精度確認 | 共有された単価表等の資料をAIツール(Claude)に読み込ませ、内容の精度を確認する。 | - |
| 転籍単価の再確認 | 転籍時の報酬単価について、詳細をあらためて確認する。 | - |
| 不動産事業の説明 | 不動産事業の内容・詳細について次回以降に説明する。 | 次回以降 |
古谷野 側
| タスク | 内容 | 期限 |
|---|---|---|
| 利益計算の整理 | 今回合意した報酬の払い出し基準・利益計算モデルをあらためて整理し、資料としてまとめる。 | - |
| 各事業のブロックパズル作成 | 各事業の収益構造を可視化するため、モデル単価等の「お金のブロックパズル」を作成する。 | - |
グループ(両者)
| タスク | 内容 | 期限 |
|---|---|---|
| 契約書の確定 | 合意した報酬体系(3ヶ月周期の払い出し・研修費控除・早期離職時の3割上限ルール)を契約内容に反映する。 | - |
| 管理体制の構築 | 報酬の支払い状況や対象者の利益率を追跡・管理する仕組みを準備する。 | - |
| 売上内訳計画の作成 | 年内30人の目標に対する事業ごとの売上比率や、紹介・研修・クリエイターとしての稼働内訳を算出する。 | - |
紹介報酬モデルの数値ハイライト
永井さんへの紹介報酬スキームを検討する過程で確認した、前提数値と検証結果。
3ヶ月時点 累計離職率
26.74%
他社データ、約4人に1人
6ヶ月時点 累計離職率
39.67%
他社データ、約5人に2人
12ヶ月時点 累計離職率
61.87%
他社データ、約3人に2人
原さんのケース(基準ケース)。時給2,400円×160時間を基準に、本人給与25万円・社会保険料約3.75万円を控除した売上総利益は9.65万円。このうち自社取り分(売総の折半)は4.825万円/月、研修費8,000円を控除した実質は4.025万円/月。永井さんへ渡す利益は「2ヶ月分=約9.65万円」を3回払いで支払う設計とし、3ヶ月時点の累計払い出し比率は27.8%に収まることを確認した。
他ケースでの再検証。山下さんのデータで試算したところ30.6%、エンジニア職のケースでも32%程度と、いずれも3割前後に収まることを確認。小林さんのケースもほぼ同水準。エンジニアのように利益額が大きいケースでも、比率ベースの計算式であるため構造上バグらず同じロジックで運用できると判断した。
アライアンス専任担当を置く場合の試算。1人あたりの利益5万円のうち永井さんへの3割(1.5万円)を差し引き、雑費(採用・教育等)で2割を見込むと、担当者に配分できる人件費は1人あたり1.5万円。月給35万円(社保込み)の担当者を雇う場合、23人を抱える必要がある計算になった(先方とのコミュニケーションも兼務させる場合は1人あたり7,500円となり、40人が必要)。
参考:紹介ルートとの比較。通常の人材紹介(一括紹介料)の場合、紹介先からの手数料は32万円のうち約7割=22万円程度が目安。これはアライアンス案件で4〜5ヶ月分の利益に相当し、紹介かアライアンスかを振り分ける際の目安の一つとして共有された。
その他情報共有・議論概要
アライアンス(貿易事務)案件の位置づけ。「紹介」(自社の人材委託・紹介の売り切り型案件)とは異なり、アライアンスは委託のように毎月継続する業務で、同盟提携に近い位置づけであることを確認した。
研修期間の運用。制作系の研修期間は1年を基本とし、2年目の受講も可能。最終的にクリエーターとして卒業するかどうかは本人の判断に委ねる方針で、無理に卒業経路を確保するのではなく「発射台だけ用意する」考え方だと確認した。現時点で研修を受けているのは3人中1人のみで、母数が少ないため今後の増加を見ながら検証していく。
紹介とアライアンスの切り分け。切り分けの主な理由は紹介者(永井さん)側の事情ではなく、応募者側の事情(結婚前提・子供を希望する等、通常の自社案件とは異なる働き方を望むかどうか)にあることを確認した。
内部人員の複数業務兼務について。1人が「人の面倒を見る」業務に加えて不動産・人材紹介・広告運用などを兼務する案が出たが、責任の所在や生産性が不明瞭になるリスクがあるため、兼務させる場合は役割設計を丁寧に行う前提で進めることを確認した。あわせて、正社員だと計算上の制約があるため、業務委託(月額35万円目安)への切り替えも選択肢として共有された。
現状の収益性。人材委託事業は現状、売上に対して約6割が利益として残っている(ある月のケースでは売上37万円に対し支出22万円、6割強が利益)ことを共有。ちゃんと利益が残りつつ人件費も払える設計になっている、という評価で一致した。
AIツールの活用。竹園様側で、今回共有した単価表等の資料をAIツール(Claude)に読み込ませ、制度・数値の精度を確認していく方針に合意した。