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先方資料レビュー — 社内保管版

TKP 先方契約書 一括点検
秘密保持義務の履行状況分析

実施日 2026年7月16日 対象 `TKP\契約書\先方資料\` 格納の17ファイル(契約書16本) 目的 TKP NDA第8条2項(再委託先への義務転嫁)の履行状況確認
竹園氏が実際に取引先・受託者・提携先と締結している契約書16本を全件確認した。結論として、竹園氏側の契約実務は総じてしっかりしており、多くの契約に秘密保持条項・再委託先への義務転嫁条項・個人情報保護条項が盛り込まれている。一方で、①一部契約に再委託先への転嫁条項が欠けている、②事業の中核をなす提携契約が未署名の状態で残っている、③現在は個人事業主のはずが法人名義の契約が存在する、という3点は確認・対応が必要な事項として浮上した。
00 — Critical

最優先の確認事項

契約内容の精査中に見つかった、秘密保持の話とは別に確認しておくべき3点。

① 株式会社NPCとの契約2本が未署名の可能性

「業務提携契約書 - 2026_07_12」「機密保持契約書(NDA) - 2026_07_12」(いずれも相手方=株式会社NPC)は、乙欄の「代表者名」が空欄のまま、クラウドサインの署名アクティビティ履歴も添付されていない。他の署名済みファイルには必ず「アクティビティ履歴」ページ(署名済み・完了済みのステータス)が付いているが、この2本にはそれがない。

この契約は、クリエイタースクールの受講生・卒業生(対象従業員)をNPCに紹介し、雇用契約・労務管理をNPC側が担うという、人材サービス事業の中核スキームそのものである。対象従業員の個人情報(在籍状況、就労情報等)がNPCとの間で共有される設計になっているため、この契約が未締結のまま実務が先行している場合、個人情報保護・秘密保持の観点で最もリスクが高い状態にある。竹園氏に締結状況を確認することを強く推奨する。

② 「株式会社Altruism」名義の契約が2本存在する

株式会社Tealとの「業務委託契約書」「秘密保持契約書」(いずれも2025年9月2日締結)は、甲が「竹園祐二」個人ではなく「株式会社Altruism(代表取締役 竹園祐二)」という法人名義になっている。

竹園氏との合意事項では「現時点で個人事業主として活動しており、概ね2か月後を目処に法人設立を予定している」という理解だったが、この契約からは2025年9月時点で既に「株式会社Altruism」という法人が存在していた(または存在する)ことが読み取れる。この法人が現存するのか、既に清算済みなのか、あるいは今回の「法人設立予定」がこのAltruism社とは別の新法人を指すのかは、TKP-古谷野氏NDAの当事者表記(個人名のみ)や今後の業務委託契約の設計に関わるため、確認が必要。

③ Vtuber専属マネジメント契約に再委託先への義務転嫁条項がない

齊藤美和氏との「Vtuber専属マネジメント業務委託契約書」第6条(秘密保持および身バレ防止)には、他の契約に見られる「自己の従業者または外部パートナー等に開示する場合は同等の義務を課す」という条項が存在しない。同氏とは別途「機密保持契約書(NDA)テンプレ」も締結しているため、そちらでカバーされている可能性はあるが、NDAテンプレの適用範囲(「本体契約」=どの契約を指すか)が明記されておらず、Vtuber契約が「本体契約」に該当するかはやや読み取りにくい。

01 — Inventory

契約書一覧

16本の契約書を、相手方・種別・締結状況・秘密保持関連条項の有無で整理した。

相手方契約種別締結状況秘密保持条項再委託先転嫁個人情報保護条項存続期間
株式会社ネオ・リンクス
(吉川恭平氏)
業務委託契約書
(2026-06-25)
署名済 第6条 なし 条項内に包含 終了後3年
同上 NDA
(2026-06-25)
署名済 第2条 第2条3項 第3条 業務終了後5年
(or 機密性存続する限り)
齊藤美和氏 NDAテンプレ
(2026-07-05)
署名済 第2条 第2条3項 第3条 本体契約終了後2年
同上 Vtuber専属
マネジメント契約
(2026-07-05)
署名済 第6条 なし 明記なし 期間の定めなし
(終了後も、と記載のみ)
小川正樹氏 NDA
(2026-06-10)
署名済 第2条 第2条3項 第3条 業務終了後5年
(機密性存続する限り)
川田貴大氏 NDA
(2026-07-13)
署名済 第2条 第2条3項 第3条 本体契約終了後2年
同上 業務委託基本契約書
-講師業
(2026-07-13)
署名済 第10条 明記なし 受講生情報に限定 契約終了後も存続
(第18条列挙)
不明(乙欄空欄) NDA (1) 未署名 第2条 なし 第3条 終了後2年
不明(乙欄空欄) 業務委託基本契約書 (1)
(Altruism関連)
未署名 第10条 明記なし 明記なし 契約終了後も存続
(第16条列挙)
雛形(汎用) 【ひな形】NDA 雛形 第2条 第2条3項
(再委託承諾制)
第3条 5年
(クリエイティブ情報等は永続)
雛形(汎用) 【ひな形】業務委託
基本契約書
雛形 第9条 明記なし
(再委託自体を禁止)
明記なし 契約終了後も存続
(第16条列挙)
受講生(汎用) 【ひな形】クリエイタ
ースクール受講契約書
雛形 第7条 該当なし
(受講生は再委託先でない)
第4条3項
NPC共有への同意
本契約終了後1年
(禁止事項条項)
株式会社Teal 業務委託契約書
(2025-09-02、甲=
株式会社Altruism)
署名済 第6条 なし 条項内に包含 期間の定めなし
(終了後も有効に存続)
同上 秘密保持契約書
(2025-09-02、甲=
株式会社Altruism)
署名済 第3条 第4条2項 秘密情報の定義に包含 終了後6年
株式会社NPC 業務提携契約書
(2026-07-12)
未署名の疑い
(代表者名空欄)
第13条
(別途NDAに委任)
該当なし(提携契約) 対象従業員情報の
取扱いに言及
終了後も一部条項存続
(第18条列挙)
同上 NDA
(2026-07-12)
未署名の疑い
(代表者名空欄)
第2条 第2条3項 第3条 終了後2年
02 — Analysis

論点別分析

TKP NDA第8条2項「再委託先に対し、本契約に基づき受領当事者が負う義務と同等の義務を課すものとし、当該再委託先の行為について一切の責任を負うものとする」の履行状況を軸に、竹園氏側の契約実務全体を評価する。

① 再委託先への義務転嫁条項 — NDA単体では概ね良好、業務委託契約書本体では欠落が目立つ

要注意

傾向単独のNDA(機密保持契約書)として締結されている契約は、ほぼ全てに「自己の従業者または外部パートナー等に開示する場合、当該者に対し本契約と同等の義務を負わせるものとし、当該者の行為について一切の責任を負う」という転嫁条項(TKP NDA第8条2項と同趣旨)が入っている。これは竹園氏(またはその実務を整えたNDAテンプレの作成者)が、再委託先への義務転嫁の重要性を正しく理解して設計していることを示す。

欠落しているケース一方で、NDAを別途結ばず業務委託契約書の中に秘密保持条項を埋め込んでいるケース(ネオ・リンクス社の業務委託契約書、Teal社の業務委託契約書、講師業の業務委託基本契約書、雛形の業務委託基本契約書)には、この転嫁条項が入っていない。ネオ・リンクス社とTeal社については、別途NDAで転嫁条項がカバーされているため実害は小さいが、講師業の業務委託基本契約書と雛形の業務委託基本契約書には、対応する別建てNDAが確認できず、講師・イラストレーター等が自身のアシスタントや外注先にさらに情報を渡した場合の義務転嫁が手当てされていない可能性がある。

② 存続期間のばらつきとTKP NDAとのギャップ

要注意

下流契約の秘密保持義務の存続期間は、契約書ごとに2年・3年・5年・6年・永続と大きくばらついている。TKP-古谷野氏NDA(第12条3項)は、秘密保持義務を契約終了後3年間、個人情報保護義務は性質上必要な限り存続、という設計だった。

これに対し、下流契約の中で最も短い「2年」(多くのNDAテンプレ、講師業NDA、NPC・NDA等)は、TKP NDAの3年より短い。つまり、竹園氏がTKP-古谷野氏NDA終了後2〜3年目に、竹園氏側の秘密保持義務は生きているが、その下請け・委託先(例えば齊藤氏や川田氏)の秘密保持義務は既に切れている、という期間のギャップが理論上生じうる。実務上の影響は限定的だが、期間設計を統一する余地はある。

③ 個人情報保護の実装は総じて丁寧

妥当

ほぼ全てのNDA・契約書に、個人情報保護法遵守・漏洩防止措置の条項(多くは第3条)が独立して設けられている。特に「クリエイタースクール受講契約書」では、受講生本人の情報がNPC(提携先)と共有されることについて、本人の事前同意を明示的に取る条項(第4条3項)が入っている点は評価できる設計。また「NDA」の一部(吉川恭平氏・小川正樹氏・川田貴大氏向け等)では、デバイス紛失時の24時間以内報告義務、パスワードロック・暗号化等の安全管理措置まで具体的に定めており、TKP-古谷野氏NDAの水準と比べても遜色ない、むしろ詳細な設計になっている。

④ AI利用制限の方向性はTKP NDAと矛盾しないが目的が異なる

妥当(整理のみ推奨)

下流契約の多く(講師業、イラスト制作、Vtuber関連)には「乙が生成AIを無断利用することを禁止する」「成果物を生成AIの学習データとして利用してはならない」という条項がある。これはTKP-古谷野氏NDA第3条(AIツール利用を認めた上で個人情報入力のみ禁止する)とは目的が異なり(著作権侵害防止・品質管理が主眼)、矛盾するものではない。ただし用語(「生成AI」「機密情報」等)が契約書群の間で微妙に異なる定義をされているため、将来的に契約書を整備し直す際は用語集を統一すると分かりやすくなる。

⑤ 損害賠償・違約金の設計思想が契約類型ごとにバラバラ

要注意(優先度は低い)

Vtuber契約は違約金定額100万円、講師業契約は受講生引き抜き1人あたり24万円、イラスト制作系の雛形は個別契約の報酬額を上限(AI利用・権利侵害・故意重過失は上限なし)、NPC提携契約は遅延損害金年14.6%・清算金という設計と、契約類型ごとに全く異なるロジックで設計されている。それぞれの契約の性質に応じた合理的な設計ではあるが、TKP-古谷野氏NDA(3か月分の業務委託料相当額、故意重過失は上限なし)という基準と比べると、統一的な設計思想がない点は今後の契約整備で気になる部分ではある。優先度としては①②より低い。

03 — Conclusion

総合評価と推奨対応

TKP NDA第8条2項が求める「再委託先への義務転嫁」は、竹園氏側の契約実務において、NDA単体としてはおおむね良好に実装されている。個人情報保護・デバイス管理・AI利用制限まで踏み込んだ詳細な条項が多く、むしろTKP-古谷野氏NDAより実務的に細かい設計になっている契約書もある。今回の点検で優先的に対応すべきは、以下の3点。